栄光の旗No.49
皆さんは、ミステリーってどういうものだと思いますか? 殺人事件とか窃盗事件が起こるものを想像した人が多いのではないでしょうか? でも、ミステリーの意味は思っていたよりも広いんです。事件という感じのものもあれば、ホラーやオカルトなど……様々あります。どれも面白いのですが、一つのシリーズで全部の要素が見られる作品って、あまりないですよね?今回紹介する本、『天久鷹央の推理カルテ』シリーズは、様々なミステリーの種類を楽しむことができます。
天医会総合病院の統括診断部という診療科の2人の医者が主人公です。「統括診断部」はこの話ならではのもの。主人公の2人が所属しています。そんな統括診断部の部長が天久鷹央先生。見た目は小柄で高校生に間違えられるほど。さらに、コミュニケーション能力が壊滅的で、その上不器用。処置なんて絶対無理です。「そんな医者、本当に大丈夫なの?」と思われるかもしれませんが、その代わりに洞察力や記憶力は超優秀。その力を生かすためにできたのが統括診断部。しかし、コミュニケーション能力が原因で本来の力を発揮できませんでした。そんな時に来たのが心優しいが気弱な医者・小鳥遊優先生。最初、2人はよく衝突していましたが、ストーリーが進んでいく中で最高の相棒となり、次々と事件を解決していく。そんなお話です。難しい医療用語も説明されていて読みやすく、コメディ要素もあるので面白く、ミステリーとしても楽しめるこの本を、ぜひ読んでみませんか?